音楽との直接の繋がりも無く、枕としては無理があるけど MacOS のコードネームは『Lion』でアプリケーションなど周辺も整って、本領発揮の年になるでしょう。
今年、2012年は『辰年』で、空想上の生き物ではあるけれども『龍』は最強の存在とされる。ドラゴンとはイコールでは無いけれども東洋の思想を、西欧の文化にイメージ付けはしやすい。
さて、動物で最強なのは百獣の王ライオン。 日本にライオンが初めてお目見えとなったのがちょうど110年前の今日、1902年1月2日に上野動物園に来園した。当時のドイツ帝国ハンブルグからダチョウ、ホッキョクグマと一緒に贈られたものらしい。
百獣の王とは言われているけれども動物園でのライオンは、のんびりと寝そべっているばかり。それでものそのそと歩いている姿は勇壮だ。そうした姿を見ているとサン=サーンスの《動物の謝肉祭》が聞こえてくる。
全14曲の組曲は、チェロのソロで演奏される第13曲《白鳥》だけがサン=サーンスの創作で、他はロッシーニ、オッフェンバック、ベルリオーズやメンデルスゾーンと言った作曲当時、1886年に話題だった作曲家たちの名旋律がテンポを遅めたりして登場する。サン=サーンス自身のヒット曲もその中に加わっているので、有名作曲家たちへの嫌みではなくあこがれがない交ぜとなっている。肩書き、立場としては既にフランス音楽界の重鎮に座を置いていたサン=サーンスだけど、自分の周囲の自由な精神、アイデア豊富な作曲家たちの中で『音楽様式』とか『クラシカル』な事を日頃良しと説いていたことでサン=サーンスの音楽スタイルは当時の中では古典に寄っている古くさい音楽だという声もあった。彼も羽目を外した音楽を作りたい時もあったのでしょう。
正月の《ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート》で今年は、1曲目に《祖国行進曲》が演奏されました。この曲はヨハン・シュトラウス父の《ラデツキー行進曲》の間に国歌などが織り込まれている。2曲目も《美しき青きドナウ》の旋律がベースになっていたし、当時ヒットしていた《カルメン》の人気のメロディーで《カルメン・カドリーユ》など、ビゼーの音楽をそのまま繋いだだけ。
著作権がうるさく言われる時代ではなく、むしろ他の作曲家に引用されることは嬉しいことであり、PRにも成っていた。でも、サン=サーンスは行き過ぎだったと感じていたのかも。生前は公開演奏をしないように禁じました。
スタイルは古くさくたって、《白鳥》のメロディー、ハーモニーは叙情的。華やかな話題を振りまく存在ではなかったかもしれないけれども、ロマン派からコンテンポラリーへの橋渡しを成し遂げている。チェロ=ベースラインの扱いの巧みな作曲家だったという印象を持っています。《チェロ協奏曲第1番》の冒頭からのグルーヴ感は、クラシック音楽に日頃親しみが無い人も魅了する音楽でしょう。
英EMI/ASD3452/ロストロポーヴィッチ、ジュリーニ/ドヴォルザーク:チェロ協奏曲、サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番/8,400円(送料+税込)
(1883年-1901年 - アジアゾウ、トラ、ヒョウ、シフゾウ、ハリモグラ、ニホンオオカミ、アホウドリ、ウシウマ、トキ、シマフクロウなどが来園。
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